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マイクロソフトは死んだのか?

マイクロソフトは死んだ

マイクロソフトは死んだ:解説

確かにマイクロソフトはWeb 2.0な新興起業家にとっては目に入らない存在になったかもしれない。

ただそれはすぐにマイクロソフトが倒産するわけでも業績が一気に悪くなっていくわけでもない。簡単に書けばつまらない普通の大企業になったというだけものことだ。そしてそれはたぶん今もマイクロソフトの筆頭株主であり、前CEOのビル・ゲイツが望んだことなんだ。

ビル・ゲイツは今年マイクロソフトの経営からは基本的にリタイアして、自身の慈善団体であるビル&メリンダ財団の経営に注力するビル&メリンダ財団の運営資金というのは基本的にビルゲイツ夫妻の資産を運用したものであって、その資産というのは他ならないマイクロソフトの株式である。つまり財団を彼の死後も継続されるほど長く維持し、多くのことを成し遂げたいのであれば、マイクロソフトは長く継続維持され、コンスタントに利益を生み出す会社でなくてはならない。一か八かのイノベーションにかけて、爆発的に何かを成し遂げるのではなく、株式市場から見放されない程度に順調に発展していく会社でなくてはならない。ワトソンJr.亡き後もIBMという会社が続いていくようにだ。
そしてここ数年のマイクロソフト経営者としての彼の仕事はその準備に追われていたに違いない。自身の後継者を捜し、財務基盤を拡充し、SAPやIBMが力を入れない中小企業向け製品のラインナップを増やし注力することでその準備をしてきたと思う。つまり彼はマイクロソフトが普通の大企業になるよう努力をしてきたんだ。

今、そしてこれからのマイクロソフトは確かにおもしろい会社ではないもしれない。だからといってIT業界内でのマイクロソフトの存在感が無くなったわけでも、影響力が無くなったわけでもないだろう。なので、死んだって表現はちょっと大げさだ。

 

コメント

  1. 河端善博 より:

    いかにもな記事。対比する日本語の記事を読まない人には、十分インパクトがありそう。
    結局は、自分自身でがんばって、評価するしかないと。

  2. 管理人 より:

    まぁポールグレアムの投資先のスタートアッパーたちの視界には入らなくなってきていると思います。そういう点では彼らが生者として向かい合う相手ではなくなっていて、そういう点で死んだと言われても仕方がないですね。彼らは、むしろマイクロソフトやグーグルの視界外で有用なものを見つけなければスタートアップ自体がままなりません。
    そういった時代の波のエッジに立つスタートアップの視点での話を一般化してとらえるのも無理がありますね。この辺題名だけで中身を理解せずにだ反応するのも日本の今の状況の香ばしさが感じられます。
    ただ、マイクロソフトが面白くなくなったのは仕方なしにそうなったのではなく意図的だという点は本文に書いたようなことだと思っています。結局天才が去ってしまった後は優秀な凡人でも仕事がうまく運ぶようにするしか無く、これは仕方がないことです。エジソンの去ったGEも、ヘンリーフォードの去ったフォード自動車も、ワトソンJr.の去ったIBMも然り。
    ただアメリカの底力がすごいのはこういった天才が去っていった企業が落ちていくだけに見えるようなところで、次の天才が現れて危機をすくうところです。GEのウェルチなどその代表でしょう。

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