コンピュータって: 機械式計算機からスマホまで | |
ポール・E. セルージ Paul E. Ceruzzi
東洋経済新報社 2013-11-22 |
モダン・コンピューティングの歴史を記したポール E.セルージの著書。山形浩生訳。
原題はCOMPUTING: A CONCISE HISTORY。
モダン・コンピューティングの歴史がある程度専門家向けにふった技術史書であったので対して、こちらはより一般に向けたコンピューティングの技術史。
そう、Computing。単なるComupterハードウェアの発展史では無く、計算機とその上で動くソフトウェアが、その計算能力がどの様に通信を変え、社会を変えたかを記している。
帯通りド文系でも読めるかは解らないけれど、今なぜこれだけ計算能力が社会にあふれ、何故社会を変化させたかを理解するための一冊としては本書が適切だろう。
計算機とそのソフトウェアは社会を変えたのでおろうか、社会が発明を即すのか、発明が社会を変えたのかは議論のあるところだし、多くの自分的な歴史家は前者の立場をとるが、筆者は後者の立場をとり、計算機は発明が社会を変えた決定的な例としてあげる。特に「電卓」のために作成されたマイクロプロセッサは、計算能力を消費財化し広く一般に浸透させ、コミュニケーションの速度と位置を大きく変化させ、革命や政変の基盤となり、多くの富とその陰としての絶望を生み出し文字通りに社会と歴史を変えているのは間違いないなく、それを裏付けていると思う。
本書によりコンピューター技術史に興味を持たれた方には以下もお勧めする。
モダン・コンピューティングの歴史 | |
ポール E.セルージ 宇田 理
未來社 2008-10-15 |
新装版 計算機屋かく戦えり | |
遠藤 諭
アスキー 2005-10 |
アラン・ケイ (Ascii books) | |
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