Category Archives: サイエンス

書評: 科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点

科学技術と社会との関わりを歴史的に俯瞰しつつ、本邦における科学技術の飼い慣らし方について述べている。

本邦では、東北震災での原発事故、コロナ禍での専門家や擬似専門家の問題、日本学術会議の任命における問題など、科学技術研究の当事者と世間との不幸な関わり方が目立っていると思う。その様な中で筆者は、科学技術の研究当事者と世間との協調、それによる科学の社会化にについての意見を述べており、著者の縁側の議論については大いに賛成する。

社会学者の宮台真司氏は社会学や政治の分野で、政治社会における現象を大衆に解説し啓蒙していく『ミドル』の存在の必要性に言及しているけれども、科学技術においても同様の『ミドル』の存在が『縁側』として必要なのだと思う。

これからのグリーン化してく社会、パンデミックが繰り返されていく社会では、世間と医学を含む科学技術の専門家とのコミュニケーションやそれを通した社会の知識化なくしては上手くいくわけが無い。本書はそれに向けた道標となる一冊だと思う。

ブクログより転載)

eHighWay まさかのトロリー自動車復活しかも高速道路

情報源: ソーラー飛行機が大西洋を横断・北欧の電化高速道路・真顔写真を無理やり笑わせるニューラルネットワーク(画像ピックアップ38) – Engadget Japanese

Start des weltweit ersten eHighways in Schweden / World's first eHighway opens in Sweden Im Juni 2016 ging der erste eHighway auf einer öffentlichen Straße in Betrieb. Auf einem zwei Kilometer langen Autobahnabschnitt der E16 nördlich von Stockholm wird für die nächsten zwei Jahre ein Siemens-Oberleitungssystem für Lkw getestet. Dabei kommen zwei Diesel-Hybrid-Fahrzeuge des Fahrzeugherstellers Scania zum Einsatz, die in Zusammenarbeit mit Siemens für den Einsatz unter der Oberleitung angepasst wurden. Mit dem zweijährigen Testbetrieb möchten die schwedische Transportbehörde Trafikverket und der Regierungsbezirk Gävleborg Erkenntnisse darüber sammeln, ob sich das Siemens-eHighway-System für eine zukünftige dauerhafte kommerzielle Nutzung und einen weiteren Ausbau eignet. Denn das Land hat ehrgeizige Umweltziele ausgerufen: Schwedens Transportsektor soll bis 2030 unabhängig von fossilen Brennstoffen sein.  The first eHighway system on a public road opened in June 2016. For the coming two years, a Siemens catenary system for trucks will be tested on a two-kilometer stretch of the E16 highway north of Stockholm. The trial will use two diesel hybrid vehicles manufactured by Scania and adapted, in collaboration with Siemens, to operate under the catenary system. During the two-year trial, Sweden's Transport Administration Trafikverket and Gävleborg County want to create a knowledge base on whether the Siemens eHighway system is suitable for future commercial use and further deployment. As part of its climate protection strategy, Sweden has committed to having a fossil fuel independent transport sector by 2030.

トレーラーからパンタグラフが出ているよ!!

まぁ高速道路の1レーンに架線着けてトレーラーを電気モーターで動かせばエネルギー効率よいし、CO2や窒素酸化物なんかの公害源の排出も無くせるよね、風力とか再生エネルギー使えば本当のゼロエミッションだねっていうシーメンスの試みです。と言うか、もう実用実験段階ですが。

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こちらがコンセプトビデオで、トレーラー自体は基本ハイブリッドで、架線が無い状態ではディーゼルエンジン+発電機・バッテリー・モーターで動いています。これが架線に繋がると、ディーゼルエンジンは停止し、架線からの電力でバッテーリーを充電しつつモーターを動かして走行します。また、ブレーキは回生ブレーキになっているので、ブレーキ時にはモーターが発電機となりバッテリーを充電しつつ、余った電力は架線に戻されます。電車かっ!(架線設備まで含めて)

こちらが実験走行中のビデオで、マジ音がトラックじゃなくて新交通みたい(当たり前)

そして実際の道路。。。

まぁ自動運転とまで行かなくても、レーンに合わせてほぼ自動走行する技術とかはもうありますし、結構もうやる気だけのような気もしますね。日本で出来るかはともかく。

日本では案外、シーメンスの提案みたいに港湾地域での利用とかが良いかもしれません。ほら我が国、様々な理由で港湾内のトラック輸送、普通のトラック輸送と組合違うし、ルールも違うから。。。

シーメンス(独)のプレスリリース(英文)

http://www.siemens.com/press/en/feature/2015/mobility/2015-06-ehighway.php#event-toc-2

Microsoft DNA Storage

Microsoft is carrying through experiments with synthetic DNA for digital data storage and has recently agreed to purchase ten million strands of DNA from genetics startup Twist Bioscience.

情報源: A Look at Microsoft DNA Storage

Microsoft Research(MSR)とワシントン大学共同が研究しているDNAストレージに関するInfoQの記事。

ビットデータをDNAシンセサイザー(合成装置)でDNAの塩基配列に変換(合成)し、保存、それをシーケンサーでリードする。ちょうどDNAのらせん配列がテープのようになった感じだ。

当然読み書きは大変遅い。

なんでMSやワシントン大がこんな研究をしているかというと、データ保存期間に関心があるようだ。

今我々が日常使っているデータストレージはHDDやSDDで5年程度、長期保存に向いていると言われる磁気テープでも20年程度(ハーフインチの磁気テープは実際にはそれより長い実績があるけど)、それよりも長い期間保存できると言われている光ディスクの規格はあるけどいつもメディアの規格が安定していたことがない。DNAは保存方法さえ気をつければ、化学物質として世紀をまたぐような長い期間安定しており、しかも複製可能なので、長期間データを保存する記録媒体としてDNAに注目しているようだ。

しかし、DNA合成技術の進歩が生命工学の進歩だけではなく、情報工学の進歩をもたらすというのは驚きだし、「DNAがただのデータ」であることを思いださされてしまう。僕らは「ただのデータ」に突き動かされて恋をしたり悩んだりして生きているというのに。

参照

MSRのプロジェクトページ: http://research.microsoft.com/en-us/projects/dnastorage/

関連論文のページ: http://research.microsoft.com/apps/pubs/default.aspx?id=258661