2006年12月31日をもちまして、OS/2のすべての活動が終了となりました。 長らくご利用いただき、ありがとうございました。
OS/2がいよいよ終わりということだ。
OS/2がこのように消えていったのは、デスクトップOSのビジネスだけで見ればWindowsに負け市場から消えていったように見えるが、実際にはIBM内でのエンタープライズプラットフォーム基板の技術的な変化の方がその寿命に与えた影響は大きかったと思う。OS/2はかつてIBMのSAA戦略の中で重要な位置を占めるはずだったOSだが、SAAがWebSphereに変わっていく課程でその役割をLinuxとEclipseに受け渡して行くことになり、その役割を終えたのだ。(OS/2が担うはずであったインテリジェントターミナルの機能はLinux/Eclipseのデスクトップコンピュータに、SAAのネットワーク基板、分散処理環境ははWeb Service/SOAPに移り変わった。)
元ネタ:
スラッシュドット ジャパン | 日本IBM、「さらばOS/2」
余談。
僕は今のIBMのWebSphereは基本的な思想はSAA戦略からは大きく変わってはいないと思う。インターネットの勃興により独自のネットワークアーキテクチャ、ネットワーク分散環境にある程度あきらめをつけ、それらをオープンな物に(渋々)変えていくことにしながらも、メインフレームを頂点とする今までのシステムアーキテクチャに対する大きな変更はしなくてすますのがWebSphereだろう。これは既存のユーザーにとっては、大規模な変更無しで新しいのシステムとの相互運用性の実現や移行が可能になるなどで有利な選択だし、IBMにとってはドル箱のメインフレームビジネスを続けることが出来るのだけでも重要な点だ。世の中はベンチャーが言うほどドラスティックに物事は変わっていかないし、IBMが得意とするような顧客は規模が大きく何事も慎重にならざる終えないから、そういう点でもIBMの戦略は悪くない。ようはIBMはお金の儲け方がわかっているのだ。
コメント
OS/2終わりましたか。時代の変化を感じますねぇ。
個人的にはNotesにけじめを付けて欲しいんだけど・・・
昔何かで読んだけど、IBMはOS/2の開発費用を資産に組み入れていた?関係で継続させるしかない、と。一方マイクロソフトはそうでなかったのでPPC版やAlpha版のWindowsNTなどを切り捨てられた、などと書いていた記憶があります。
OS/2の開発を資産計上してたというのは、ガートナ前のIBM楢ありそうな話ですね。
SAAとWebSphereの話を補足しておくと、SAAが目指していた全てのプラットフォームで同一開発環境、同一APIを展開し同一アプリケーションの動作を保証する言う思想は結局SAAでは実現できなかったのですが、皮肉にもサンマイクロシステムズのJavaでそれが実現できてしまったわけです。それがIBMをしてSAAをあきらめさせ、WebSphereに急速に移行させた原動力の一つだと思います。そういう視点で見ればJ2EE仕様に対してIBMが横車を押してでも仕様をごり押ししようとする姿勢やJava VMのOSS化圧力も理解できると思います。