JavaOne最終日の基調講演に登壇したサンのグレッグ・ボレラ(Greg Bollella)氏は、前世紀的アーキテクチャによって稼働している工場オートメーションの世界について、会場に集まったJava開発者たち簡単に説明した。
「この会場に来ている人の中で、たぶん1人も知ってる人はいないでしょうけど、Profibusというネットワークプロトコルがあるのです。これはみなさんがプロトコルと聞いて想像するものとは違い、非常に原始的なものですが、工場の制御用機器の世界では業界標準です」(ボレラ氏)
ネットワークを流れるのはパケットと呼ぶよりも制御信号のようなもので、それをプラプライエタリなプログラミングツールを使い、リレースイッチを素子化しただけのような機械で制御する。プログラミングというのも、現代的な意味でいえばプログラミングと呼べないものだという。
プロプライエタリな機器でコスト高に悩んでいた工場経営者から相談を受けたサンは、「ブルーワンダー」と呼ぶアーキテクチャのシステムを開発した。産業用にデザインしたx86ベースのファンレスマシンにSolaris 10、Java RTS 2.0を搭載、さらにProfibusバスやOS用ドライバを用意した。
サン・マイクロシステムズのBlue Wonderは、言わば、Profibusのコントローラを持ったファンレスPCと、Solaris 10, Java RTSで構築された制御コントローラだ。
制御コントローラが自信の制御ネットワークにプロプライエタリなネットワークではなく、Ethernetを使い、汎用のRTOSを使い始めた頃からもうオートメーション屋の仕事はIT屋に浸食されて一緒にコモディティ化もされて無くなってしまうだろうなと言う漠然とした予感があったのだが、とうとうその時がきたようだ。
コントローラのハードウェアが一般化されたアーキテクチャで構築されてしまってはオートメーション機器メーカーは食べていく道がない。
オートメーション屋(技術者)も何度も書いてるが、垣根無くどちらの仕事もできないと後数年で食べていくのが難しくなってくるだろう。また、システムインストレーションも行っているオートメーション機器メーカーは、この数年で自分たちが抱える技術者のパラダイムシフトを完遂させないと、プラントフロアにおいてさえ、ITの機器ベンダーやSIに対して競争力を失うことになる。もう仲良く強調・協業していきましょうどころではない。まさにライバルだ。
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