Category Archives: 本おすすめ

書評: 「エンジニアのためのWord再入門講座 新版 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方」が相変わらず良い

エンジニアのためと書かれているが、一般的な事務系会社員にもお勧めしたいMicrosoft Wordの入門書。

Wordのコツはスタイルとテンプレートを用意し、そこに文書を流し込むことにあり、この本ではその説明が首尾一貫しており、大変素晴らしい。できるシリーズのような画面説明書ではないので、全くの初心者向きではないかもしれないが、10ページ以上の「文書」を作成する必要がある場合には、まずWordを選択して、本書の内容を実践するのが良い。何時までも自分はWordの代金分その機能を使えていないのではないかという初心者の方こそ、これを読んで初心者を脱しよう。

(ブクログから再掲)

[試して理解]Linuxのしくみ ~実験と図解で学ぶOSとハードウェアの基礎知識 – 武内覚

積ん読の消化。まぁLinuxカーネルの勉強をしなきゃ行けない事態になったのも有り、山の中から回収。

Linuxのカーネルについて実際に手を動かしながらざっくり理解できる本です。OSのコトはさっぱわからんと言いながらプログラマーをしている人にこそ本書をおすすめします。

ただ自分の知りたかったことはもっと濃いことだったので、本書を手がかりに広大なネットの海にサーフボードで航海に出かけねば。

はじめよう! システム設計 ~要件定義のその後に 羽生 章洋 著


はじめよう! システム設計 ~要件定義のその後に
価格: 2,398円
羽生 章洋 著
技術評論社 (2018/1/25)

以下ブクログより転載。

いえーい!みんなシステム設計している?
最近だと、クリーンアーキテクチャとかそこでのDDDとかが流行っているんだっけ?でもみんなそれ理解している?DDDとかすっげー難しいけど、お友達のみんなはわかっているかな?DDDのキモはDDDを使わない方が良いって関心の分離で気づくところにあるよ。でもさ、そもそもシステム設計って何のためにあるんだっけ?ユーザーストーリーって言うなの要件定義があればプログラミングをはじめられるんじゃなかったっけ?

そんなことあるわけないじゃん。ばーか。

システム設計は重要です。要件定義を「アーキテクチャ」に収めていくためにも、そもそもアーキテクチャとして何を選択するかも重要です。システム設計をしないと何が起きるかと言えば、永遠に開発が終わらないか、終わったように見えてもユーザーに使われないゴミが生まれていくだけです。ゴミならいいんだけど、そのゴミに付きあわされる納入先の従業員の皆さんにとってはいい面の皮です。ゴミではなく有用なものを作るために必要なのが、要件定義であり、システム設計になります。

本書そんな「システム設計」のエッセンスを短く、わかりやすく、平易に説明しています。そんなことは誰でも出来ることでは出来ません。著者のはぶさんだから出来ることです。今、満足にシステム設計が出来ていない、そもそも設計の必要性がわからないと言った方々は、クリーンアーキテクチャを読んで実践しようとする前に、まず本書から初めて出来ることからやるのが良いと思います。馬鹿にしているのではなくて、クリーンアーキテクチャなんて実践できるのは本当のエリートですよ。まずは出来そうなことから確実にはじめていきましょう。顧客ために。社会のために。

あと、同著者のはじめよう!プロセス設計、はじめよう!要件定義も必読です。今の時期SEの新人教育にぴったりですよ


はじめよう! プロセス設計 ~要件定義のその前に
価格: 2,178円
羽生 章洋 著
技術評論社 (2016/11/22)


はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで
価格: 2,178円
羽生 章洋 著
技術評論社 (2015/2/28)

読書メモ:ヒトの目、驚異の進化 (ハヤカワ文庫NF)

ヒトの目、驚異の進化 (ハヤカワ文庫NF) (日本語) 文庫
マーク・チャンギージー (著), 柴田裕之 (翻訳)
価格: 1,166円
早川書房 (2020/3/5)

視覚についての新たな視点。大変興味深く面白く読ませていただいた。この本を読むことで見ることの視座が変わる。

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」

みずほ銀行のシステム統合の失敗とそれを受けての勘定系システムの更新は他山の石とするべきものだ。ITシステムに限らず、高度成長期に作られたシステム、建築が老朽化し、その刷新やメンテナンスが喫緊の課題になっている。

みずほ銀行の失敗は、この国で起きがちな失敗例であり、どこにでも存在する、現在進行形で起こっていることでもあり、先の大戦に負けた理由でもある。一方その様なダメなこの国の日常から抜け出すには何が必要なのかをみずほ銀行の勘定系システム刷新が一つの方法を示していると思う。

みずほ銀行の勘定系システム刷新からわかってくるのは、それに必要なのが強いリーダーシップとリーダーのプロジェクトへのコミットメントだと言う事がわかる。何を捨て、何を残し、何を作り直すのかの判断をするにはリーダーに高い知見と資質が求められる。一つ一つの決断に確固たる理由と理論があり、それを実現するだけの組織運営が必要になる。ITシステムに限らない、我々の社会が目指すべきもののヒントの一つがこの中にある。

ブクログから転載)

O’Reilly Programming C# 8.0 – Ian Griffiths著

Programming C# 8.0
価格: 8,059円
Oreilly & Associates Inc (2020/1/7)

Early Access版から読み進めてかれこれ1年近くになるが、何よりも無事出版されたことが喜ばしい。何故喜ばしいかというと、Programming C# 7.0はEarly Access版のまま頓挫し出版されなかったためだ。むしろそれぐらいここ数年はC#と.NETが激動の時期だったととも言える。

本書は、旧版のProgramming C#に比べると、ASP.NET、WPF/WCF開発や.NET Frameworkの相互運用性に関する話題、Dynamicsに関してはごっそり削られている。ランタイムに関する説明も、.NET Frameworkでは無く、.NET Coreのランタイムを中心的に扱うように変更され、本書の内容もよりC#の言語機能に対してフォーカスされている。C# 8.0に至るまでの様々な言語仕様拡張は網羅されており、C# 8.0を学ぶためには最高の一冊だ。章立てもその順序も絶妙で、恐らく今手に入る中で最高のC#学習書(入門書に非ず)だと思う。逆に言えば本書だけではアプリケーションの開発まで完結出来ないが、それは他の各フレームワークにフォーカスされたより詳細な書籍に当たるべきなのだろう。

筆者は本書の読者像を”Who This Book is For”の中でこう説明している。

I have written this book for experienced developers—I’ve been programming for years, and I set out to make this the book I would want to read if that experience had been in other languages, and I were learning C# today. Whereas earlier editions explained some basic concepts such as classes, polymorphism, and collections, I am assuming that readers will already know what these are. The early chapters still describe how C# presents these common ideas, but the focus is on the details specific to C#, rather than the broad concepts.
私はこの本を経験豊富な開発者向けに執筆しました。長年プログラミングしており、その経験が他の言語であった場合に読みたい本にしたいと思い、今日はC#を学びました。以前のエディションでは、クラス、ポリモーフィズム、コレクションなどの基本的な概念について説明していましたが、読者はすでにこれらが何であるかを知っていると思います。初期の章では、C#がこれらの一般的なアイデアをどのように提示するかについて説明していますが、焦点は広範な概念ではなく、C#に固有の詳細です。

C#プログラマーにそしてこれからC#プログラマーになろうという人に是非手に取って欲しい。

P.S.: Safari Books Onlineでも購読可能です。

目次

  1. Introducing C#
  2. Basic Coding in C#
  3. Types
  4. Generics
  5. Collections
  6. Inheritance
  7. Object Lifetime
  8. Exceptions
  9. Delegates, Lambdas, and Events
  10. LINQ
  11. Reactive Extensions
  12. Assemblies
  13. Reflection
  14. Attributes
  15. Files and Streams
  16. Multithreading
  17. Asynchronous Language Features
  18. Memory Efficiency

もっと早く読んでおけば良かったプログラミング本

There are so many programming books out there, sometimes it’s hard to know what books are best. This book list is a curation of the most valuable books for each major Software category.

情報源: Programming Books You Wish You Read Earlier

元々の情報源: もっと早くに読んでおけばよかったプログラミング本 – YAMDAS現更新履歴

 実際の書籍はそれぞれの情報源を読んでもらうとして、この手の非実装(特定言語・環境に依存しないという点で)なアカデミズム寄りの技術本は、本当に読むのも大変なのだけど、それよりも、まず手に取るまでの壁も高く、財布の壁も正直高い。ただ、私の中途半端なエンジニア人生を振り返ってみても、本当に技術的に苦しいときに自分の身を救ってくれたのは、こういう小難しい本ですし、基礎と入門の違いがわかります。基礎は難しい。

 特に将来に野望を抱く若者には、時間と体力に余裕があるうちに、これらの本に是非チャレンジして欲しい。必ず、躓くときの杖になるし、もしそうなる体験が将来なかったとしたら、その職場は君にとっては簡単すぎるという事だ。

書評: 自叙伝 ジャン=リュック・ピカード

ブクログよ転載:

ジャンリュック・ピカード大佐(元)の自叙伝。意外とやんちゃだった若い頃(TNG作中でも書かれる)、スターゲイザーでの経験、エンタープライズ艦長になった経緯とそこでの冒険、データとの出会い、現在フィルムでは描かれていない、Qによるデータの復活、バルカン大使時代、ビバリーとの結婚が書かれている。もちろん創作なのだけど、それを感じさせない密度と濃さを持った内容になっています。

書評:MSVジェネレーション ぼくたちのぼくたちによるぼくたちのための「ガンプラ革命」

以下ブクログより転載。

40台半ばの人間にとってMSVは至福であり呪詛でもある。この世代は「アニメ」からガンダムに入ったのではなく、プラモデルからガンダムに入っているからだ。ボクらにとってのモビルスーツはアニメ論に於ける記号ではなく、その世界に実在する兵器であり、ジョニー・ライデンやシン・マツナガはその世界の実在したエースパイロットだ。そうした世界観の幅の深さがボクらの求めるリアリティで有り、ボクらが20代で、わかったようなわからないような「セカイ」感を持つエヴァンゲリオンに熱狂し、そして近年ガンダムユニコーンやヤマト2199/2202に熱狂した遠因でもある。いわばボクらにとってMSVはその後の人生を何か縛り付ける呪詛であり、そのセカイにいられることは至福である。現に毎月ほぼ「ジョニーライデンの帰還」を読む為だけにガンダムエースを購入しているし、ガンダムセンチュリーをやったモデルグラフィックスは特別な模型詩のままでいる。本書はそうしたいかれたボクらにとって、その呪詛をお焚き上げするための護符のような物であり、多くの同年代が本書によって少しでも軽くなってくれればと思う。ま、そんな簡単に剥がれるような呪詛じゃないけどな。

書評: 明治維新とはなんだったのか-世界史から考える

以下ブクログより再掲。

もう明治維新150年とか薩長土佐で勝手にやってくれと思っている人たちにとっては当たり前の視点・史観では有るけど、それがこの2名の対談でより明確になっていて大変心地が良い。よく太平洋戦争の総括が不十分である事への指摘が多いが、そもそも日露戦争当時戦争への総括が不十分であり、その実際が広く国民に知らしめられなかった事により、再び「鎖国」となり、それ太平洋戦争へ繋がっているという指摘は重要だし、それは今の我が国の現状にも重なって見える。戦争は外交・政治の一手段である、これは即ち戦争中であろうとその前段階であろうと相手との対話と交渉が必要である事を示している。日中戦争時の近衛内閣の「国民党とは交渉に値せず」は、現状の我が国の北朝鮮政策と重なって見えてきて仕方がない。右手で棍棒で殴り合いながらでも、左手の指一本ぐらいは相手と繋いでおくのが外交であり、政治である。結局戦争は政治の一手段である以上対話でしか終わらないのだ。