【注意】以下は今後サポートやアップデートの無いGit For Windows 1.9.5 Preview向けに書かれた物です。可能な限り最新のGit for Windowsを使いましょう。正式版のインストール手順は次のURLです。https://opcdiary.net/?page_id=27065
私の独断と偏見によるGit for Windowsのインストール手順です。
Git for Windowsのダウンロードとインストール
以下のページよりダウンロードします。
Downloadをクリックし、インストーラーのダウンロードを開始します。
ダウンロード後は、ファイルのダウンロード先ディレクトリをエクスプローラで開き、ファイルを選択し、右クリックでコンテキストメニューからプロパティを選択します。
ブロックの解除ボタンをクリックして、ブロックを解除します。
解除されたら、ファイルをダブルクリックしてインストーラーを起動します。
Nextをクリック
ライセンスを確認して、Nextをクリック。
インストール先ディレクトリを確認されるので、Gitをクライアントとしてのみ使う場合にはできるだけこのままで進めます。ただ、オープンソースのTracのようなITS/BTSと組み合わせる場合や、SSHを使ってサーバー公開をする場合などは、C:\Gitのように短めで、間にスペースが入らないディレクトリに設定してインストールをします。
VSのGit拡張や、その他Git関連ツールと組み合わせる場合には、標準のディレクトリとしておいた方が手間がかかりません。
インストールの選択オプションが表示されるので、選択します。
Additional IconsはBashを起動するためのショートカットをどこに置くかなので、好みでに決めて下さい。XPユーザー以外Quick Menuはあんまり意味が無いので選択する必要は無いと思います。DesktopにBashのショートカットをおくかはお好みです。
Windows Explorer Integrationはファイルやディレクトリを右クリックしたときのコンテキストメニューに何を表示させるかの選択で、Simpe~の方は固定でチェックを入れた項目をコンテキストメニューに表示させます。Advanced~の方はGit-Cheetahという機能を使って、そのフォルダやファイルの状況に合わせてコンテキストメニューの内容を変更します。また、最終的にTortoiseGitやGit Extensionsを入れるのでウザイと思う人はここのチェックを外してもかまいません。
Use a TrueType font in all console windowsにチェックを入れてしまうと、bash以外の全てのコンソールウインドウのフォントがLucida Consoleに変更されてしまい、漢字などの多バイト文字は文字化けしてしまうので、チェックを入れてはいけません。
選択が完了したらNextをクリックして進めます。
スタートメニューを追加されるか確認されるので、通常はこのままNextをクリックして先に進めます。
ここは環境変数pathに何を追加するかを選択します。
Use Git Bash onlyを選択した場合、インストーラーは環境変数pathには何も設定しません。pathを汚さないので、すでにMinGWやcygwinやその他UNIX互換環境等を構築されている方はこのオプションをとりあえず選択しておくのが無難です。インストーラーがスタートメニューなどに登録したbashのショートカットではシェルスクリプトが動いてそのコンソール内では必要なpathが追加された状態になります。
Run Git from the Windows Command Promptを選択した場合、インストーラーは環境変数pathに、C:\Program Files (x86)\Git\cmdを追加します。このディレクトリにはGit.exeとgitk.cmdの二つのファイルだけが有り、そのほかのmsysのユーティリティ(ls, less等)への直接のpathは設定されません。コマンドプロンプトやPowerShellからはGitのコマンドだけが使用できます。
Run Git and included Unix tools from the Windows Command Promptを選択した場合には、インストーラーは環境変数pathにC:\Program Files (x86)\Git\cmdとC:\Program Files (x86)\Git\binの二つを追加します。この二つが追加されることで、gitだけでなく、他のmsysのUnixのツール、lsやlessなどをWindowsのコマンドプロンプトから使用できるようになります。逆にそれらが不要でればRun Git from the Windows Command Promptを選択しておけば良いです。
選択したらNextをクリックして次に進みます。
レポジトリへのチェックイン、チェックアウト時の改行の取り扱いについてのオプションを選択します。
多くのサイトやインストール解説記事では一番上のCheckout Windows-style, commit Unix line endingsを選択するように進めていますが、私は一番下のas-isをお勧めします。
一番上の選択をしてしまうと、チェックアウト時にテキストファイルの改行コードは全て、CRLFに変更され、コミット時には全てLFに変換されてしまいます。一見無害なようですが、twitterのTLを見ている限りこれによる利便性より被害の方が遙かに多いように見受けられます。改行の面倒はIDEやエディタが面倒を見ればいいのであって、gitに面倒を見てもらう必要性は基本的にないはずなので、ここは改行については何もしない一番下のCheckout as-is, commit as-is設定を強くお勧めします。
Checkout as-is, commit as-isを選択してNextをクリックします。ここでインストーラーがインストールを開始します。
インストーラーがファイルのコピーを終えると以下の画面となりインストールは終了です。
グローバルの設定
グローバルの設定を行います。
スタートメニュー(画面)で選択するか、デスクトップのGitのアイコンダブルクリックしてGit bashを起動します。
以下のようにコマンドを入力して最低限の設定を行います。5番目から7番目はUNICODEに対応させるための設定です。(詳しくはここを参照)
user.nameにはご自身の姓名をローマ字で、user.emailには普段使用するメールアドレスを使用します。また、そのメールアドレスがGravatarに登録されていれば、GitExtensionsなどでGravatarのアバターが使用されます。
$ git config --global user.name "Mei Sei"
$ git config --global user.email "hoge@email.com"
$ git config --global color.ui auto
$ git config --global core.quotepath false
$ git config --global --unset i18n.logoutputencoding
$ git config --global --unset i18n.commitencoding
$ git config --global --unset svn.pathnameencoding
上の内容が、環境編homeで設定されたディレクトリの.gitconfigファイルに保存されます。
また、リモートへのログイン情報をWindowsの資格情報マネージャーに保存させたい場合には、以下のように設定します。またその場合、こちらのインストールも行ってください。
$ git config --global credential.helper wincred
以下は、git stateなどでの速度を改善するためにfscacheキャッシュを有効にするオプションです。バージョン1.9.4以後の場合に設定できます。参照
$ git config --global core.fscache true
SSHキーの作成
Windows環境のみで使用するのであればSSHキーの作成や設定は特必要ありませんが、GitHubなどを使用するのであれば作成しておいた方が無難なので、OpenSSHでのsshキーを作成する方法を説明します。
スタートメニュー(画面)でGit Guiを選択して起動します。
ヘルプメニューのSSHキーを表示を選択します。
鍵の作成をクリックします。
パスフレーズの入力が促されるので、入力します。これはもう一度聞かれるので、同じパスフレーズを入力します。
パスフレーズを二回入力すると、環境変数homeのディレクトリのしたに.sshディレクトリが追加され、そのディレクトリに公開鍵(id_ras.pub)と秘密鍵(id_rsa)の二つのファイルが追加されます。また、上画面には公開鍵が表示されます。
また、楕円曲線DSAを使用したい場合には、コマンドラインでの操作となるが、以下を参考にしてください。
Git for WindowsのopenSSHが新しくなったので、楕円曲線DSAでSSHキーを作って見よう
posh-gitのインストール
次にPower ShellでGitを取り扱う際の操作性を向上させるposh-gitをインストールしましょう。Git bashも悪くないですが、WindowsでGitを使うのであれば、無理に*nixのコマンドインタプリターを使ったり勉強することも必要ないので、Windowsの標準的なコマンドインタープリタで生きましょう。
posh-gitをインストールするとgitコマンドがタブ保管できるようになるほか、Power Shellのコマンドプロンプトにブランチ名ステージングされていない追加、変更、削除のファイル数、同様にステージングされたファイル数が表示されるようになります。
まずはPower Shellを起動しposh-gitをインストールしたいディレクトリの親ディレクトリに移動ます。
次に以下のサイトからposh-gitをCloneします。
サイト:https://github.com/dahlbyk/posh-git
> git clone https://github.com/dahlbyk/posh-git.git
cloneが完了したら、cloneでできたposh-gitのディレクトリに移動します。
Power Shellのセキュリティ設定を確認します。
> Get-ExecutionPolicy
結果がRestrictedであった場合には、以下のようにセキュリティ設定を署名付きのコマンドレットであれば使用できるように変更します。
> Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser -Confirm
posh-gitのディレクトリにいることが確認し、確認できたら、以下のコマンドを入力してposh-gitをインストールします。
> .\install.ps1
インストールのスクリプトが終了したら、以下のようにコマンドを入力してプロファイルを読込直します。
> . $PROFILE
コマンドプロンプトが以下のようになれば成功です。
C:\bin\posh-git [master]>
これ以降の設定
ここまでで、最低限のセットアップが終了しましたので、これ以降の追加設定や、Visual Studioのアドオンなどについては以下の記事を参考にして下さい。
Visual StudioでGitを使用できるようになるまで
コミットメッセージのエディタをGitHubのATOMに変更する。
Git for Windows標準ではvimがエディタとして設定されていますが、GitHubのATOMを使用したい場合には、HOMEの.gitconfigに以下を追加します。
[core]
editor = "atom --wait "
–waitオプションは必須です。このオプションを指定しないと、コミットメッセージの保存、ATOMの終了を待たずにgitがコミット処理を進めてしまいます。
コラム Git for WindowsなのかmsysGitなのか
よくですねmsysGitの方をダウンロードしたあげく、インストール中にビルドが失敗なんかしてTLで火を噴いている人を見掛けますが、WindowsでGitを使いたいだけであればそんなマゾイ事をしなくてもいいです。
msysGitのパッケージはWindows版Gitの開発環境なので、Gitだけでなく、Windows版Gitのビルドに必要なgccやgmakeやその他ライブラリ、必要なmsysのコマンド類のセットとなっていて、基本的にGIt自体の開発に興味がある人以外には必要の無いパッケージです。また、msysGitのインストール時にビルドが失敗するのはたいていの場合すでにMinGWやcygwinの環境が出来てしまっているのにmsysGitをインストールしようとしているケースで、pathの他の環境変数がmsysGitが必要なツールやライブラリの位置を示さないために失敗しているケースが多いように思います。
と言うことで、msysGitの事は綺麗さっぱり忘れてかまいません。Git for Windowsを使いましょう。
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