TROPHY “Active Protection System” (APS) Radium Software Development
一般の方が思っているほど戦車や装甲車の装甲板は強力ではない。特に装甲車の装甲板は厚いところでも機関砲弾の直撃に耐えられる程度で、場所によっては機関銃の銃弾ぐらいしか防げない。
一方歩兵が携帯できる対戦車兵器は強力になる一方であり、ブラックマーケットで簡単に手にはいると言われる旧式のRPG-7(実際にはその中国製コピー製品)でも、西側の主力戦車を破壊することが出来る。このような個人携帯可能な対戦車ロケット兵器はWWIIで登場し、常に装甲車両(AFV)にとって驚異であり続けている。
驚異であるため、今まであらゆる防御方法が考えられており、WWII中にドイツはスカートアーマーという戦車の周囲に薄い装甲板を配置して、実際の装甲板の手前で対戦車ロケットを爆発させてしまう形での防御方法を編み出し、これは最新の米軍のストライカー装甲車にも引き継がれている。
一方PLOとの果てしない闘争の中で、RPGに悩ませられ続けてきたイスラエルでも対抗方法の研究が盛んで、リアクティブアーマーといわれる、実際の装甲板に少量の爆薬を詰めた箱を無数に取り付け、ロケット弾が当たったときには箱の中の爆薬の爆発で、ロケット弾のを跳ね返す対抗方法が生み出されており、このASPはその延長線にある考え方だ。
ASPは飛翔するロケット砲を事前に撃墜してしまおうという方法で、自分に向かってくるロケット弾をレーダーで探知し、それに向け散弾を発射して、ロケット砲を撃墜する。結局事前に爆発させるという発想は大きく変わっていないわけではあるけど。
まぁこの方法もすぐに対抗方法が思いつくのだが、イラクやアフガニスタン、パレスチナのような地域では有効な方法かもしれない。
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