Financial Applications using Excel Add-in Development in C / C++ (The Wiley Finance Series) | |
Steve Dalton
Wiley 2007-09-04 |
Financial Applicationsとあるが、そこはそれほど突っ込まれた内容があるわけではなく、この本の本質はExcel Add-in Development in C / C++の方にある。
Excelの拡張というと、丁度1997年頃からMSがWindows DNAを言い出した頃、Office 95/97でOfficeが32bit化し普及した頃からCOMアドインが登場して、これが一般的に使用されるようになり、、Office、特にExcelがエンタープライズ向けITシステムのフロントエンドとして使われるようになってきて、それが現在の.NETでのVSOT/VSTO二までつながってきているが、それよりも前、Excel Ver 4.0の頃よりExcelの拡張機能として存在するのが、ExcelのC言語向けAPIだ。
EscelのC言語APIは、拡張子がxllとなる(実際にはお作法には則らないといけないもののただの)WindowsのスタンダードDLLを作ってExcelの拡張、特にUDF(ユーザー定義関数)をC/C++で作成することでExcelの機能拡張をすることを目的にしている。ユーザー定義関数で、より複雑な計算のために(当時は)豊富なCやFORTRANのライブラリを使いたいと言った要望や、COM(ActiveX)登場以前でもあるので、既存の企業システムとの連携を図りたいといった用途で使われてきた。
現在でも、他システム連携に関してはVSTOを使うべきだとは思うが、ユーザー定義関数でVBAの処理能力、記述能力では我慢できない場合や、Windows HPCとの連携が必要な場合にはxllの出番となる。また、最近ではExcel-DNAの登場でC#/VB/F#でもxllの開発が可能となり、夢が膨らむ。
本書は、C/C++でxllの開発を取り扱うための数少ない書籍であり、、特に金融以外の分野でも有用であるので、Excelのパフォーマンスを極限まで引き出したいエンジニア、あるいはExcelでビジネスデータを扱うビジネスパーソンに強力な武器を与えたい企業内IT部門のプログラマなどにお勧めしたい。
Excel方眼紙などと言った邪道なExcelの使い方をするためのExcel利用方ではなく、本書はそのはるか対極にある。
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