Category Archives: 書籍・雑誌

藝人春秋2文庫化記念? 水道橋博士 X 町山智浩対談


藝人春秋2 ハカセより愛をこめて (文春文庫) (日本語) 文庫
水道橋博士 (著)
価格: 935円
文藝春秋 (2021/2/9)


藝人春秋3 死ぬのは奴らだ (文春文庫) (日本語) 文庫
水道橋博士(著)
価格: 935円
文藝春秋 (2021/3/9)

水道橋博士さんの藝人春秋2が文庫化(上)されるに当たり町山智浩さんが解説を書くことになり、その解説ネタを作るための(?)対談。Mankのハーマン・J・マンキーウィッツが水道橋博士だという話から始まり、石原慎太郎、橋下徹、見城徹という自己愛の強い人の話、それと絡んでこの本の内容にもあるボーイズという製作会社が大阪維新の会を作り上げ、それを国政に持ち込もうとして製作しているニュース女子や虎ノ門ユースの話、DHCの差別問題を文春以外が取り上げないことなど、とにかく面白く知的な何かが刺激される対談だったので見て欲しいし、藝人春秋2も大変面白いのでぜひ買って読んでください。

私の単行本の書評はこちら

書評: 科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点

科学技術と社会との関わりを歴史的に俯瞰しつつ、本邦における科学技術の飼い慣らし方について述べている。

本邦では、東北震災での原発事故、コロナ禍での専門家や擬似専門家の問題、日本学術会議の任命における問題など、科学技術研究の当事者と世間との不幸な関わり方が目立っていると思う。その様な中で筆者は、科学技術の研究当事者と世間との協調、それによる科学の社会化にについての意見を述べており、著者の縁側の議論については大いに賛成する。

社会学者の宮台真司氏は社会学や政治の分野で、政治社会における現象を大衆に解説し啓蒙していく『ミドル』の存在の必要性に言及しているけれども、科学技術においても同様の『ミドル』の存在が『縁側』として必要なのだと思う。

これからのグリーン化してく社会、パンデミックが繰り返されていく社会では、世間と医学を含む科学技術の専門家とのコミュニケーションやそれを通した社会の知識化なくしては上手くいくわけが無い。本書はそれに向けた道標となる一冊だと思う。

ブクログより転載)

書評: 新型コロナの科学-パンデミック、そして共生の未来へ (中公新書, 2625)


新型コロナの科学-パンデミック、そして共生の未来へ (中公新書, 2625)
黒木 登志夫 (著)
価格: 1,034円
中央公論新社 (2020/12/21)

ちょうどこの書評を書いている途中に東京都で新型コロナウィルスの陽性者が4桁を超え1,300人余となる事がニュースで流れた。本書はその様な本邦における現状を正しく認識する上でも重要な一冊になる。

本書では、総合的、俯瞰的に新型コロナ(COVID-19, SARS-CoV-2)について書かれている。本書内容は以下のようなことである。
新型コロナに関する字形的な事実、疫学的な解説、このウイルスの特性。各国のこのウイルスに対する対応・政策とその問題点。本邦における対応・政策と問題点、特に厚労省における、自省のメンツにこだわることによって生じる対策の遅れ、作為的な無策、医療技官の問題、官邸主導による根拠のない政策実行の問題。治療薬。医療の現場(院内感染が広まったことに対してもPCR検査を抑制しようとした厚労省に責任がある)。介護の現場。保健所の現場。そして政策的な提言を含めた共生への未来について。

本書は以上内容を含んでおり、現状における新型コロナウィルスについての最高のテキストであると思う。

ブクログより転載)

トランピストはマスクをしない コロナとデモでカオスのアメリカ現地報告

トランピストどころかとうとうご本人が感染してしまった。

マスクをしないことがマッチョイズムとなる「アメリカ」。そんな「アメリカ」を週刊文春で毎週切り取ってきた町山さんの連載がまた本にまとまりました。トランプ大統領の入院で大統領選がどうなってしまうかわかりませんが、アメリカ大統領選を読み解いていく副読本として、「アメリカ」を理解する上でお勧めです。

(ブクログから転載)

マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る


マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る (NHK出版新書)
丸山 俊一 (著), NHK「欲望の時代の哲学」制作班 (著)
価格: 880円
NHK出版 (2020/9/10)

今年になってNHK BSで放送された「欲望の時代の哲学2020 マルクス・ガブリエル NY思索ドキュメント」と「BS1スペシャル シリーズ コラナ危機 グローバル経済 複雑性への挑戦」の内容を文字に起こした物だ。超番組と元手興味深く録画もアーカイブしてあるが、こうして文字に起こして頂けて大変ありがたい。文字として読むことで、番組を使用していたときには落としていた視点や皆がしていたことが拾えて、議論の内容への理解が深まり感謝している。
今の日本でも実存や倫理について考えることが多く、マルクス・ガブリエル の新実在論はこの社会がどん底まで落ちて立ち上がるときに必要な哲学だと強く感じている。

ブクログより転載)

書評: 「エンジニアのためのWord再入門講座 新版 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方」が相変わらず良い

エンジニアのためと書かれているが、一般的な事務系会社員にもお勧めしたいMicrosoft Wordの入門書。

Wordのコツはスタイルとテンプレートを用意し、そこに文書を流し込むことにあり、この本ではその説明が首尾一貫しており、大変素晴らしい。できるシリーズのような画面説明書ではないので、全くの初心者向きではないかもしれないが、10ページ以上の「文書」を作成する必要がある場合には、まずWordを選択して、本書の内容を実践するのが良い。何時までも自分はWordの代金分その機能を使えていないのではないかという初心者の方こそ、これを読んで初心者を脱しよう。

(ブクログから再掲)

[試して理解]Linuxのしくみ ~実験と図解で学ぶOSとハードウェアの基礎知識 – 武内覚

積ん読の消化。まぁLinuxカーネルの勉強をしなきゃ行けない事態になったのも有り、山の中から回収。

Linuxのカーネルについて実際に手を動かしながらざっくり理解できる本です。OSのコトはさっぱわからんと言いながらプログラマーをしている人にこそ本書をおすすめします。

ただ自分の知りたかったことはもっと濃いことだったので、本書を手がかりに広大なネットの海にサーフボードで航海に出かけねば。

はじめよう! システム設計 ~要件定義のその後に 羽生 章洋 著


はじめよう! システム設計 ~要件定義のその後に
価格: 2,398円
羽生 章洋 著
技術評論社 (2018/1/25)

以下ブクログより転載。

いえーい!みんなシステム設計している?
最近だと、クリーンアーキテクチャとかそこでのDDDとかが流行っているんだっけ?でもみんなそれ理解している?DDDとかすっげー難しいけど、お友達のみんなはわかっているかな?DDDのキモはDDDを使わない方が良いって関心の分離で気づくところにあるよ。でもさ、そもそもシステム設計って何のためにあるんだっけ?ユーザーストーリーって言うなの要件定義があればプログラミングをはじめられるんじゃなかったっけ?

そんなことあるわけないじゃん。ばーか。

システム設計は重要です。要件定義を「アーキテクチャ」に収めていくためにも、そもそもアーキテクチャとして何を選択するかも重要です。システム設計をしないと何が起きるかと言えば、永遠に開発が終わらないか、終わったように見えてもユーザーに使われないゴミが生まれていくだけです。ゴミならいいんだけど、そのゴミに付きあわされる納入先の従業員の皆さんにとってはいい面の皮です。ゴミではなく有用なものを作るために必要なのが、要件定義であり、システム設計になります。

本書そんな「システム設計」のエッセンスを短く、わかりやすく、平易に説明しています。そんなことは誰でも出来ることでは出来ません。著者のはぶさんだから出来ることです。今、満足にシステム設計が出来ていない、そもそも設計の必要性がわからないと言った方々は、クリーンアーキテクチャを読んで実践しようとする前に、まず本書から初めて出来ることからやるのが良いと思います。馬鹿にしているのではなくて、クリーンアーキテクチャなんて実践できるのは本当のエリートですよ。まずは出来そうなことから確実にはじめていきましょう。顧客ために。社会のために。

あと、同著者のはじめよう!プロセス設計、はじめよう!要件定義も必読です。今の時期SEの新人教育にぴったりですよ


はじめよう! プロセス設計 ~要件定義のその前に
価格: 2,178円
羽生 章洋 著
技術評論社 (2016/11/22)


はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで
価格: 2,178円
羽生 章洋 著
技術評論社 (2015/2/28)

読書メモ:ヒトの目、驚異の進化 (ハヤカワ文庫NF)

ヒトの目、驚異の進化 (ハヤカワ文庫NF) (日本語) 文庫
マーク・チャンギージー (著), 柴田裕之 (翻訳)
価格: 1,166円
早川書房 (2020/3/5)

視覚についての新たな視点。大変興味深く面白く読ませていただいた。この本を読むことで見ることの視座が変わる。

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」

みずほ銀行のシステム統合の失敗とそれを受けての勘定系システムの更新は他山の石とするべきものだ。ITシステムに限らず、高度成長期に作られたシステム、建築が老朽化し、その刷新やメンテナンスが喫緊の課題になっている。

みずほ銀行の失敗は、この国で起きがちな失敗例であり、どこにでも存在する、現在進行形で起こっていることでもあり、先の大戦に負けた理由でもある。一方その様なダメなこの国の日常から抜け出すには何が必要なのかをみずほ銀行の勘定系システム刷新が一つの方法を示していると思う。

みずほ銀行の勘定系システム刷新からわかってくるのは、それに必要なのが強いリーダーシップとリーダーのプロジェクトへのコミットメントだと言う事がわかる。何を捨て、何を残し、何を作り直すのかの判断をするにはリーダーに高い知見と資質が求められる。一つ一つの決断に確固たる理由と理論があり、それを実現するだけの組織運営が必要になる。ITシステムに限らない、我々の社会が目指すべきもののヒントの一つがこの中にある。

ブクログから転載)