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仏教の大東亜戦争 感想


仏教の大東亜戦争 (文春新書 1365)
鵜飼 秀徳 (著)
価格: 1,210円
文藝春秋 (2022/7/20)

国家神道の誕生にともなう廃仏毀釈運動からの仏教界の復活に向けた運動が国策に絡めとられ、皇道仏教の名の下、日本の仏教各宗派がいかに戦争協力に突き進んでいく道筋が鮮明に書かれている。個人的に戦時中の仏教について報道されることも少なく、長い間の疑問であったので、整理された知識を得ることが出来て大変ありがたい。

従来宗教のこの国での凋落は先の戦争での戦争協力の歴史が一原因だと考えさせられる。宗教がその本来の教義を離れ、勢力の維持拡大のために国家に依存していく様は今話題の統一教会と何も変わらない。そのことに対する従来宗教の反省が薄く、また社会もそのことに薄々気付いている故に、従来宗教が現実社会での問題への目配せや手当が出来ず、葬式宗教になっているように見える。

東アジアの状勢が再び悪化していく中、また新興宗教の政治への影響について焦点が当たる中、戦争や政治と宗教の関係について見直し、各々自分と宗教の関係に対して反省していく良い機会だと思う。

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