書評:変われる国・日本へ イノベート・ニッポン

イノベーターたる坂村健による、日本論、イノベーション論。イノベーションが「技術革新」と訳され、それが技術発展のみであるかのように振る舞い、間違いを犯してきた日本を示し、イノベーションとは本来差を生み出すことであり、技術開発結果をイノベーションに結びつけるのが「目標設定」された戦略であると論じている。

本書ではイノベーションが育む価値を示している。

  1. オープン
  2. ベスト・エフォート
  3. ケーススタディ

この国においてはおよそ最初は否定される考え方だ。他に迷惑をかけないよう物事はできるだけ隠し、完璧に計画は実行される事が求められ、その間に本来の目的はどうでも良くなっている(もしくはそもそも明確な目的は設定されていない)のがこの国の伝統的な姿であり、イノベーションを育む価値とは対立する。

これはなにもこの国のエスタブリッシュメントだけがそう求めてきたのではなく、大衆も常にそれを求めてきたのだ。

美しい国とはイノベーションを否定し、痛みをおそれ、過去を愛おしむ老人の考え方だ。イノベーションは常に何かを破壊する。その破壊による変化を許容できなければそこに未来はないのだ。国家として安寧な未来を得たいのであれば、変化を許容する変われる国にならなくてはならない。国家を個人に変えても同じ事だ。

そしてイノベーションを論じる著者がそれを否定してきた人間の牙城のように見える東京大学に籍を置き、そうでなければ誰も話を聞こうとしないところがこの国の問題を示している。

One thought on “書評:変われる国・日本へ イノベート・ニッポン”

  1. より多くの国民が安全で快適で”安心して”暮らせる世の中とする為に、日本民族という民族の選択肢として最適なのは「鎖国」だと思う。その意味では徳川家康は正しかったと今でも思う。
    だが、好むと好まざろうとに関わらず変化する事を強要される現代においては、そんな事を言っていたら他勢力に飲み込まれて国家自体を消失してしまうかも知れない。
    変化を恐れてはいけない、ようは”どう変化するかだ”・・・なーんて(w

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