サティヤは昨日のOffice発表会と打って変わって情熱的で良かったですし、サティヤ ナデラ個人としてもMSという会社的にも信頼感を増すことが出来たと思います。
午後からのエヴァンジェリストによるセッションも良かった。
でもです。良かったで済むのかな。
今日1日MSから開発者に向けたメッセージは、
「ユニバーサルアプリを開発してね(はーと)」
という事だと思います。
しかしです。
今、開発者やISVがユニバーサルアプリに投資するメリットって本当にこの日本であるんでしょうか。
ユニバーサルアプリケーションは、通常のストアアプリ開発や、Windows Phoneアプリ開発に比べ、煩雑で、工数も増える代わりにストアアプリ、Phoneアプリと多くを共有することで、同じサービス・アプリケーションを複数の異なるデバイスに提供するのであれば、トータルでのコストダウンがはかれるというのが、開発者やISVにとってのメリットです。
しかし、この日本にWindows Phoneのマーケットは全くありません。つまりせっかくユニバーサルアプリケーションを作成して、Windows Phone対応をしても、ストアアプリのみであった場合に対して増加した投資分を回収できません。
投資回収できないことがわかっているユニバーサルアプリケーションに誰が投資をするのでしょうか。
また、PhoneアプリとWindows Phoneの国内展開は、鶏と玉子の関係であるかのような言い方がされていますが、本当にそうなのでしょうか。
Phoneのアプリが増えれば、Windows Phoneが国内で売られる?
そんなことあるわけがありません。
スマートフォンのビジネスはプラットフォームビジネスです。つまり電話機は田畑で、アプリはその上で生産される作物です。田畑無くして作物が育つはずがありません。そして田畑を提供する代わりに収穫から小作料を取ってさらに田畑(ビジネス)を広げる、それがプラットフォームビジネスです。田畑も開墾しないで、作物だけあるのかないのかわからない田畑に向け苗付けさせようというのはあまりにも虫が良すぎるのではないでしょうか。
それにいくらトラクター(Visual Studio)が良くても、田畑が悪ければ作物はよく育ちませんし、田畑が狭ければ収穫も限られます。
この国でユニバーサルアプリを作成させるためには、国内の開発者、ISV、受託開発業者などに対してワールドワイドな何かではなく、この国の実情に合ったユニバーサルアプリを作らせるための合理的な説得が必要です。
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