新年あけましておめでとうございます。
以下は国立情報学研究所佐藤先生の1月3日分の日記から
Windows開発者の皆様方にはたいへん失礼な物言いなのですが、Windows向けアプリケーション開発は時間が止まったような世界。そんな世界に浸った開発者がクラウドコンピューティング向けの新しいサービスを作れるかというと疑問なのですよね。あるプラットフォームが既存の開発者が有利という印象を与えたら、新規開発者はそのプラットフォームは避けるものです。Azureをイノベーティブになるには、既存のWindows開発者を切り捨ててでも、新規の開発者をAzureに引き込む必要があったのではないでしょうか。
それと過去の歴史を考えると新旧プラットフォームでアプリケーションの重複はない。例えばメインフレートとミニコンでは、メインフレームからミニコンに移行したアプリケーションよりも、ミニコン向けに新たに開発されたアプリケーションの方が多い。Azureのことに話題を戻すと、現在のWindowsのアプリケーションはWindowsで動かせばよく、Azureで動くアプリケーションは今までにないものになるということです。このため既存Windows開発者をAzureに連れて行ったために、Azureというせっかく新しいプラットフォームなのに古いアプリケーションを動かし続けることになりかねません。
ならばどうすればいいのかですが、他のプラットフォームの開発者を引き入れることも重要ですが、やはりエンドユーザによる開発ができるようにすることが求められるように思います。実際、Force.comはWebブラウザで開発できるので、開発ツールや統合環境のインストールは不要なのですが、こうしたインストール有無だけでもエンドユーザ開発の障壁になっていましたから、Visual Studioのインストールが必要なAzureって時代錯誤なのですよね。
Windowsの開発で時間が止まっているのはそうだろうな。SilverlightといってもVBから続くフォームベースのRADと大きく何かパラダイムが変わっているわけではないですし。
AzureですがAzure自体ワーカーロールで実質何をしてもいいという状態になり、いったいユーザー(この場合はAzure上にアプリケーションを作る立場の人・物)に何をさせたいのか余計にぼやけてきていますが、EUC(エンドユーザーコンピューティング)は一つの方向性を示していくと思うけど、なんでもつくれるAzureのままなんだろうなぁ。
ということで、今年はクラウド・コンピューティングが現実的な選択肢になり、本格的な普及に向けて最適なプロセス、最適な設計手法を求めてすったもんだして行く年になるのでしょう。
今年こそ、今までの何かの焼き直しでない突き抜けた新技術を見てみたいところ。オブジェクト指向を過去の物として本当に置き換える何かとか、既存のマイクロプロセッサアーキテクチャを根底から覆すようなプロセッサーアーキテクチャとか、いい加減HTTPから離れて、これからの時代に合う新しいプロトコル(wave?どうだろう?)とか、そういう物をみたいですね。
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