Google App Engineをみていて考えたことをちょっとまとめてみます。たぶん何ヶ月かたってみたら恥ずかしい内容なんだけど。
GoogleにせよMSにせよ今注力しているのはたぶん"Cloud OS"を作り上げることなんだ。ただ、最終的に出来上がるものが同じようなものになる可能性はあるんだけど、現状同じキーワードで全く別のものをみている気がする。というのは、この記事の表題そのまんまなんだけど、Googleの思っているCloud OSはそれがあるのがCloudの中、向こう側だって言うこと。一方マイクロソフトの思っているCloud OSっていうのはCloudを使うためのOSだってことだ。そう言う点で実にマイクロソフトは何も変わってないともいえる。
そもそも、Cloud OSって何かってことなんだけど、僕の考えではCloudにある様々なサービスを現状のOSのAPIやシステムコールとしてとらえて、それを基盤に実際のビジネスや娯楽に有益なアプリケーションを構築するためのプラットフォームだと僕は考えている。今で言われるところのマッシュアップを拡張したものだろうし、たぶんアイデアはそこから出ているけど、今のマッシュアップはなんというかCP/M時代のプログラミングみたいなものだ。とりあえずWebブラウザとJavaスクリプトという最低限の資源はあるんだけど、結局何かをしたければ直接それぞれのサービスにあわせてごりごりスクリプトを書いていかなければならない。CP/M時代にアセンブラでゴリゴリハードを叩いていたのと同じ感覚だ。Cloud OSはそれを今のOSレベルにどう引き上げて、アプリケーション構築をどう容易にしていくかという試みだと思う。それはアプリケーション構築の容易さだけではなくて、タスク管理というOS本来の機能や、今のOSが持つ信頼性や、品質といった点まで含めてだけど。もっと言えば、たぶんマイクロソフトはCloud OSの上のVisual Basic(これは比喩だよ)まで考えてるんじゃないかな。
そして、そのCloud OSが実装され稼働される場所がどこかってことなんだけど、GAE見て、ああGoogleはやっぱCloud OSもCloudの中にあるべきだと考えているんだと思った。
一方マイクロソフト側はVoltaだとか、Osloの姿を見ると(PDCまでよくわかんないけどさ)あくまでもCloud OSはCloudを使うOSでこちら側にあるもの、今のWindowsの延長線上にあるものだと思う。今のカーネルのままなのか、Guiはこのままなのかなんて知らないし、Windows 7がそれのか(たぶん違う、いや絶対に違う)は知らないけど、でもそれがこちら側にあることはおそらく間違いないと思う。(ちなみにこちら側には企業のバックオフィスも含みます)
ただマイクロソフトも"OS"ベンダーとしてCloud OSのAPIたるサービスの開発提供は激しく行っていくとは思う。SSDSみたいに"OS"ようのストレージ作ってみたり、Dryadみたいな形でそのための基盤作りにも余念がないわけだし。
というわけで、無理矢理まとめると、一口にCloud OSとはいってもみんな見ている絵が違うので、一緒くたに考えない方がいいよってことです。
追記:
これは、ある意味今頃シアトルへ向かっている人たちへのネタふりなので、そこんとこちゃんと聞いてきて、帰ってきたらこっそり教えてね。
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