以下はとあるメーカーのスペックシート。
MTBF 1,000,000h
Write Endurace: >140 years @ 50GB write/erase per day
何このおおざっぱな数字。軽くめまいが。
まず方式はともかくフラッシュメモリという物には物理的な書き込み上限数がある。メーカ努力によって上限は向上されているとは思うが、この10年でそれが10倍になったとは思えない。(今でもNAND型フラッシュで10万回程度だろう)メモリコントローラの工夫でのばせるとはいえ、140年という数字を軽く書いてしまうのもどうだろうか。
デジカメやMP3プレーヤー用のストレージとしてのフラッシュの使用は悪くない。基本的にこれらの書き込み回数や、書き込み容量はたいしたことがないからだ。しかしながらSSDをPCのストレージとして使用する場合、仮想メモリのスワップ先もこのSSDとなるので、SSDのフラッシュに対する書き込み頻度はデジカメやMP3プレーヤーに比べ比較にならないほど多くなる。したがって、意外なほどSSDの寿命は短くなるはずなのだ。
このため比較的長期間使用される組み込み向けのボードコンピューター等ではこの書き込み上限を回避するために、可能な限りスワップさせないようにアプリケーションを作ったり、スワップ領域としてさらに高いSRAMのストレージを使用したりしている。
一般的な(?)PCの使用期間である3年程度では、この程度の書き込み上限でも問題がないのかもしれないが、それでも実際には書き込み上限というリスクがあるという前提で使用されるのがよろしかろう。また、サーバーのデータストレージとして使用するのは、書き込み頻度がクライアントサイドより遙かに多いことを考えればにかなり考え物だ。
将来的には現在のNAND型フラッシュではなく、書き込み上限が事実上無いMRAMのようなデバイスの使用に切り替わるとは思うが、それまではSSDにはこの書き込み上限の話が常につきまとう。
まぁそれよりもこの軽くめまいのするスペックシートを見る限り、メーカーも勢いで作っているとしか思えないのだが、まぁそれでも良いって言う人はどうぞとしかやっぱり言えないな。
少なくとも私はまだ手を出したくない。
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