MSC赤間氏によるコラム。現時点での赤間氏の考える日本のデヴェロッパーのスキルロードマップ。特に日本のSIerというか主に受託開発をしている人たち向けだと思う。
通読して、どう思うかはもう個々の考え方だと思うけど、何となくやっていくことは不可能だという認識だけは持った方が良いと思う。
何となくやっていける仕事はどんどんMSの中の人やフレームワーク開発の連中、クラウドサービスの中の人たちが片付けてしまう。簡単に簡潔に書けるけど、正しくそれで書くためには高い知見が必要だというのはこれからの話ではなくて、今の話だ。
問題はその知見だ。知見は間違ってもクラスライブラリ個々のメソッドやその引数に詳しいことでも無く、IDEの機能に習熟していることではない。それらはこの文章にあるように枝葉の部分だ。(だからといって枝葉がいらないわけではない。枝葉が無ければ幹は育たない)
豆蔵の萩本氏(当時)が以前雑誌記事に書かれていたことではあるのだけど、幹となる,知見と呼び得る技術はそういう具体的で触れるものでは無く、もっと抽象的で、概念的なものだ。クラスライブラリやIDE、プログラミング言語には賞味期限が有り、これの技術はいくら習熟したとしてもいつかは揮発してしまう。幹となる、知見のもととなる技術は蓄積でき、揮発しない技術で、それは抽象的で概念的でわかりにくい。
わかりにくさには理由がある、一足飛びで何かを得ることをそれらが許さないからだ。手順を踏ませる。何かには下と上が有り、その下を理解しなければ何かを理解し知見の元にはできない。
揮発しない技術の習得には回り道に思えても定本を押さえ、古典を振り返り、日々の作業の中でこの作業で何を学び得るのかを意識して作業をして、基礎を固めていかなくてはならない。幹をぶれないようにするには下側になればなるほどそこを強固にしておくことだ。大きな幹は大きく根を張っているのだから。
技術者にできる自己防衛とはそんなものなんだと思う。
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